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心象的な構成によってつくりあげられた空間は、神秘的なニュアンスによって満たされている。過去の出来事を彩った様々な感情が画面を去来し、それを作家は絵画によって、より精神的な高みへ昇華しようとしているようである。
画面を、装飾が施された枠に囲まれた空間と、淡い紫の壁面の様な部分で構成し、さらに、少女の足を枠からはみ出させて、二重に空間が交錯している様な、不思議な演出効果をつくりあげている。そして月にシルエットで表現された亡き母に捧げられた、少女の笛が奏でる旋律は、作家の思いを託された想念を立ちのぼらせて、月明かりのなかを運ばれて行く。そうした高邁な美しさを持った情景が窺える作品である。
全体の印象も、作家の深い精神世界を象徴するような静謐なトーンに覆われて、作家がこの作品を描いた時の、スピルチユアルな心情が良く表現されている。
文・吉村克彦
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「希望」 F80(145×111) |
「祈り」 F100(161×130) |
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「コランジェ・ラ・ルージュ1」 SM |
「コランジェ・ラ・ルージュ2」 SM |
「コランジェ・ラ・ルージュ3」 SM |
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「チュレンヌ村」 F4(33×24) |
「チュレンヌ村」 SM(22×15) |
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